世界地図を見ていて、ある国に周りをすっぽり囲まれている国を見ると無性に心惹かれます。
最近知ったのですが、そういう状況を包領(enclave)というらしいです。
現在は、南アフリカに囲まれたレソト、イタリアに囲まれたバチカンとサンマリノの3つの国が包領にあたるそうです。
ちなみにモナコのように海に面している場合は包領にあたらないそうです。
以前イタリアでヴェローナという街に滞在していたとき、1日時間が空いたので、ふとサンマリノに行ってみることにしました。
とりあえずリミニという駅からサンマリノまでバスが出ているとガイドブックに乗っていたので、ヴェローナの駅員さんにリミニからのバスの時刻を調べてもらい、日帰りでヴェローナから行って帰って来られるか考えることにしました。
ここでとってもイタリアらしいことが起きました。
「駅員さんにリミニからサンマリノまでのバスの時刻を知りたいのですが。」と尋ねると、すぐに調べようとしてくれました。500ページはありそうな分厚い時刻表を丁寧に調べてくれています。時刻表の後ろまでいって、前に戻ってと何度か繰り返し、その動作が数分続いたあと駅員さんが私に行った言葉は、
「誰かが『L』のページを切り取って持って行ってしまったらしくて、リミニの時刻表のページだけないんだよ。バスの時刻は分からないからとりあえずリミニまで行ってバス停で時刻表見てご覧」でした。
想定外の言葉に、え?!と最初は理解できなかったのですが、
「他に時刻表ないの?」と聞いても、「これ1冊しかない。」
「他に調べる手段はないの?」と聞くと、「それよりリミニに行く電車がもうすぐ発車するから早く乗りなさい。あなたはレイルパス持ってるんでしょ?追加料金なしで乗れるんだからとりあえず行ってみなさい」とせかされ、とりあえずリミニまで行ってみました。
リミニに着いて早速バス停で時刻表を見てみると、あと1時間以上先なのです。(リミニからサンマリノまでのバスは大体1時間15分に1本程度でした。)そのバスに乗ってサンマリノまで行き、またバスに乗ってリミニに戻ってきてと考えると、サンマリノ滞在時間は30分程度しかなさそうです。でもここまで来たのだから行くしかないと思い、行ってみることにしました。
サンマリノはとっても小さな国で、実際見て回るのも数時間あれば十分、30分の滞在でも私としては結構十分でした。肝心の国境はというと、ヨーロッパにありがちな特に何もないという感じでしたが、インフォメーションセンターで500円くらい払うとパスポートに入国スタンプを押してもらうことができました。
そのスタンプがこれです。
スタンプをもらって、残り時間は駆け足でお土産店を見たり写真を取り、急いで帰りのバスに乗り、リミニからまた電車に乗りヴェローナに戻りました。サンマリノの国境を越えるためだけに時間を費やした1日でした。
でも、ヴェローナの駅員さんに最初から30分しか滞在できないと教えられていたら行かなかったかもしれません。イタリア人らしい適当さがこの時はかえって良かったのかもしれません(笑)。
2001年のことです。もう随分前ですね。
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国境に関する場所で今一番行ってみたい場所は、スイスとフランスの国境がホテルの中にあるというホテル・フランコ・スイスです。ダイニングルームの真ん中に国境線があるというとっても不思議なホテルです。ハネムーンスイートには、部屋の中に国境があり、部屋の半分がスイス、残り半分がフランスになるそうです。
今度このホテルに家族で泊まって、国境越え遊びをしてみたいものです。